ターニング加工とは?基礎知識から特徴・用途まで徹底解説

ターニング加工とは?基礎知識から特徴・用途まで徹底解説

「ターニング加工とは何か?」という疑問をお持ちの方に向けて、本記事では旋盤加工の代表的な手法であるターニング加工についてわかりやすく解説します。
ターニング加工は金属加工の基本であり、自動車部品や航空機部品、医療機器など幅広い分野で活用されています。
本記事を読むことで、加工原理からメリット・デメリット、実際の用途、最新のトレンドまでを体系的に理解できるでしょう。

ターニング加工とは

ターニング加工とは、旋盤を使用してワーク(素材)を回転させながら工具で切削する加工方法です。
切削工具が移動するのではなく、素材自体が主軸で回転するのが特徴です。主に円筒形状や円盤形状の部品を加工する際に用いられます。

ターニング加工の基本原理

ターニング加工では、ワークをチャックに固定し回転させます。その回転に対して刃物(バイト)を押し当てることで、不要な部分を削り取ります。
このとき切削速度、送り速度、切込み深さの3要素が加工品質を大きく左右します。これらの条件を適切に設定することで、高精度かつ効率的な加工が可能になります。

ターニング加工でできる加工種類

  • 外径削り:ワークの外周を削り、所定の径に仕上げる。
  • 内径削り(ボーリング):ワーク内部を削って穴径を拡大する。
  • 端面削り(フェーシング):素材の端部を平らに仕上げる。
  • ねじ切り:ワークの外側や内側にネジ山を切削する。
  • 溝入れ:特定部分に溝を形成する。

ターニング加工の特徴

ターニング加工にはいくつかの大きな特徴があります。以下にまとめます。

高い寸法精度と表面仕上げ

ターニング加工は旋盤の精密な回転運動を利用するため、直径方向の寸法精度が非常に高いです。
また、条件を適切に設定すれば滑らかな表面粗さ(Ra1.6μm以下など)を得ることができます。

多様な材質に対応可能

鉄やアルミ、ステンレス、銅合金など幅広い金属材料に対応可能です。近年では樹脂やセラミックスといった特殊材料の切削にも応用されています。

量産に適した加工方法

CNC旋盤を利用したターニング加工は、同じ形状を繰り返し高精度で加工できるため、大量生産に適しています。
一方で治具や刃具の準備コストが発生するため、少量多品種生産では段取り替え効率が課題となります。

ターニング加工のメリットとデメリット

メリット デメリット
・高精度な加工が可能
・量産に適している
・多様な形状に対応
・幅広い材質に対応
・加工対象が円筒形状に限定されやすい
・刃具の摩耗が品質に影響
・段取り替えにコストがかかる

ターニング加工の用途

ターニング加工は、自動車、航空機、医療、エネルギー産業など多様な分野で利用されています。

自動車産業

エンジン部品(クランクシャフト、ピストン)、ブレーキ部品、ホイールハブなど回転部品の多くがターニング加工で製造されます。

航空・宇宙産業

ジェットエンジンのシャフトやタービン部品など、高精度が求められる部品にターニング加工が欠かせません。

医療機器

インプラントや手術用器具など、ステンレスやチタンを用いた高精度部品の加工に活用されます。

最新のターニング加工トレンド

近年の製造業においては、ターニング加工も進化を遂げています。以下のようなトレンドがあります。

  • 複合加工機:旋削とフライス加工を一台で実現し、工程集約と時間短縮を可能に。
  • IoT対応:加工データをネットワークに接続し、稼働状況や品質をリアルタイム管理。
  • 自動化:ロボットによるワーク搬送と組み合わせることで省人化を実現。
  • 高性能切削工具:耐摩耗性に優れた超硬工具やコーティング工具の進化により、難削材加工も効率化。

よくある質問(FAQ)

Q1: ターニング加工とフライス加工の違いは何ですか?

ターニング加工は「ワークが回転して工具は直線移動する」方式であり、主に円筒形状を加工します。
一方フライス加工は「工具が回転してワークは固定または直線移動する」方式で、平面や溝など幅広い形状を加工可能です。

Q2: ターニング加工に適した素材は?

鉄・アルミ・ステンレス・銅合金といった金属が代表的ですが、樹脂やチタン合金など難削材にも対応可能です。
加工条件(切削速度・工具材質)を適切に設定することで、より幅広い素材に対応できます。

Q3: ターニング加工の導入に必要な設備は?

旋盤本体に加え、チャック・刃具(バイト)・切削油供給装置などが必要です。
また、CNC制御の旋盤を導入する場合はプログラミング環境も整備する必要があります。
詳細は当社お問い合わせページからご相談ください。

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