旋盤で使う超硬チップとは|特徴・材質・選定ポイントを徹底解説
旋盤加工における「超硬チップ」は、切削精度や効率を大幅に向上させる重要な工具です。初心者や現場作業者にとって「超硬チップとは何か」「どのような材質や形状があるのか」「どう選べばよいのか」はわかりにくい部分もあります。本記事では超硬チップの基礎知識から材質特性、用途別の選定ポイントまで詳しく解説します。
超硬チップとは
超硬チップは硬度が非常に高く、摩耗に強い旋盤用刃先です。工具全体ではなくチップ部分だけを交換できるスローアウェイタイプが一般的で、作業効率とコスト削減に優れています。従来のHSS(高速鋼)バイトと比べ、高速切削が可能で熱や摩耗に強く、鉄やステンレス鋼の切削に適しています。
主な特徴は以下の通りです:
- 刃先交換が簡単で研磨作業が不要
- 高硬度で摩耗耐性に優れる
- 高速切削に対応可能
- 幅広い材料加工に使用可能
超硬チップの種類
超硬チップには形状や用途に応じたさまざまな種類があります。加工の目的や切削条件に応じて選定することで、精度と効率を最大化できます。
1. 旋削用チップ
外径・内径旋削用の標準的なチップで、鉄やアルミなどさまざまな材料に対応可能です。形状や角度を変えることで、粗削りから仕上げ加工まで1本で幅広く使用できます。
2. 面取り・仕上げ用チップ
部品の角を整える面取りや仕上げ加工用のチップです。切削抵抗が少なく、仕上がり精度を向上させるため、薄肉材や硬質材の加工に適しています。
超硬チップの材質と特性
超硬チップの性能は材質によって大きく変わります。加工材料や切削条件に応じて選定することが重要です。
タングステンカーバイド(WC)
高硬度で耐摩耗性に優れ、硬鋼やステンレス鋼などの切削に最適です。長時間加工でも刃先摩耗が少なく、安定した精度を保ちますが、衝撃には弱いため、振動の少ない環境での使用が推奨されます。
セラミック系チップ
高温に強く高速切削に向く材質で、硬質鋼や焼入れ鋼に適しています。靱性は低めで、衝撃や振動に注意が必要です。
CBN(立方晶窒化ホウ素)チップ
非常に硬度が高く、焼入れ鋼や難削材の加工に最適です。摩耗に強く長寿命ですが、衝撃には弱いため、安定した切削条件が求められます。
超硬チップ選定のポイント
チップ選定は加工効率や仕上がり精度に直結します。以下のポイントを意識して選ぶことが重要です。
1. 加工材料に応じた材質選定
硬鋼やステンレスにはタングステンカーバイドやCBN、アルミや銅など軟材にはコーティング付き超硬チップが適しています。適切な材質選定は摩耗抑制と加工精度向上に直結します。
2. 切削条件に適した形状
切削速度や切り込み量に応じてチップ形状を選ぶと、仕上がり精度が向上します。高速切削にはセラミック系やCBNチップ、低速・中速加工にはタングステンカーバイドが適しています。
3. 剛性と振動対策
長尺材や薄肉材の加工では振動によるビビりが問題になります。剛性の高いバイトホルダーとチップの組み合わせを選ぶことで、安定した仕上がりが可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 旋盤用の超硬チップとは何ですか?
超硬チップは、硬度が高く耐摩耗性に優れた旋盤用刃先です。摩耗時にはチップだけを交換でき、作業効率を向上させます。鉄やステンレス、アルミなど幅広い材料の切削に使用可能で、高速切削にも対応します。詳しくは工具選定のポイントも参考にしてください。
Q2: 超硬チップのメリットは何ですか?
刃先交換が容易で、摩耗したらチップだけを交換すればよい点が最大のメリットです。また、硬度が高く摩耗に強いため、長時間の加工でも安定した精度を保てます。高速切削や多品種加工でも効率的に使用可能です。
Q3: 超硬チップの材質はどう選べばいいですか?
加工材料や切削条件によって選定が変わります。硬い材料や高速切削ではCBNやセラミック系、硬鋼やステンレスにはタングステンカーバイド、アルミや銅にはコーティング付き超硬チップが適しています。条件に応じて適切に選ぶことで摩耗抑制と加工精度の向上が可能です。



 
	        	        		 
	        	        		 
	        	        		 
	        	        		 
	        	        		 
			 
			 
			 
			