SKD11の比重と材質特性|金型鋼の選定と加工ポイントを徹底解説

SKD11の比重と材質特性|金型鋼の選定と加工ポイントを徹底解説

SKD11は金型やプレス加工に広く使用される高硬度の工具鋼で、材料選定や加工時には比重や物理特性を正確に把握することが重要です。この記事ではSKD11の比重をはじめ、材質特性や加工時の注意点、旋盤加工のポイントをわかりやすく解説します。金型製作や精密加工を行う方にとって、選定ミスや加工不良を防ぐための情報を網羅しています。

SKD11とはどんな鋼材か

SKD11は冷間工具鋼の一種で、高硬度と耐摩耗性に優れることから、プレス金型やダイカスト金型、刃物などに使用されます。炭素量は約1.5%前後、クロムやモリブデンを含むことで硬化性と靭性を両立しています。比重は一般的に7.8g/cm³前後で、工具鋼としては標準的な値です。

SKD11の主な特性

  • 高硬度:焼入れ後はHRC55〜60程度
  • 耐摩耗性:長寿命の工具加工に適する
  • 靭性:適切な熱処理で割れにくくなる
  • 加工性:硬度が高いため切削加工には条件設定が必要

比重の意味と重要性

比重は材料の密度を示す値で、材料の重量感や熱容量、振動特性などに影響します。SKD11の場合、比重7.8g/cm³は鉄に近く、重量部品や金型設計の際の計算に活用されます。比重を知らずに設計すると、重量過多や冷却効率の低下、加工時の負荷増加などの問題が起こる可能性があります。

SKD11の加工性と切削条件

SKD11は高硬度であるため、旋盤やフライス加工の切削条件を正しく設定することが重要です。適切な条件で加工することで工具摩耗を抑え、寸法精度を確保できます。

切削速度の目安

SKD11の切削速度は低めに設定するのが基本です。一般的に20〜40m/minが目安で、工具材質や刃先形状により微調整します。高速で切削すると工具摩耗や焼き付きのリスクが増加します。

送りと切込み深さのポイント

送りは0.05〜0.2mm/rev、切込み深さは0.2〜1.0mmが標準目安です。硬度が高いため、浅く、ゆっくり削ることで加工面粗さの低減と工具寿命の延長が可能です。

工具と冷却液の選定

硬質合金工具やPVDコーティング工具を使用することで、摩耗や割れを防げます。また、加工中は冷却液を十分に使用することで熱影響を抑え、寸法精度を向上させます。

SKD11の用途と選定ポイント

SKD11は高硬度と耐摩耗性を活かした用途が多く、金型製作やプレス加工、刃物、治具などに使用されます。選定時には比重だけでなく、硬度、靭性、加工性のバランスを考慮することが大切です。

金型製作での注意点

  • 重量計算に比重を活用して、構造設計を最適化
  • 焼入れ後の寸法変化を考慮して加工前に余裕を設ける
  • 工具摩耗を抑えるため、加工順序や切削条件を計画的に設定

切削加工以外のポイント

放電加工(EDM)や研削加工も一般的です。硬度が高いため切削が難しい場合は、EDMで荒加工を行い、研削で仕上げる方法が効率的です。

まとめ

SKD11の比重は約7.8g/cm³で、金型設計や重量計算の際に重要な情報です。材質特性としては高硬度・耐摩耗性・靭性を兼ね備えており、切削加工には低速・浅切込み・適切な工具選定が必要です。加工方法や条件を理解することで、金型や精密部品の品質を最大化できます。

よくある質問(FAQ)

Q1: SKD11の比重はどのくらいですか?

SKD11の比重は一般的に7.8g/cm³前後です。鉄に近い値で、金型設計や重量計算に活用できます。重量や熱容量の計算に比重を正確に反映することで、加工時の負荷や冷却効率の最適化が可能です。

Q2: SKD11の切削加工は難しいですか?

はい、SKD11は高硬度のため切削加工は難しい部類に入ります。切削速度を低めに設定し、浅切込みで加工することがポイントです。工具には超硬合金やPVDコーティングが推奨され、冷却液の使用も重要です。

Q3: SKD11はどのような用途で使われますか?

SKD11はプレス金型、刃物、治具などに広く使用されます。高硬度・耐摩耗性・靭性を活かして精密加工や繰り返し使用される部品に適しています。金型設計時には比重や硬度、加工性を考慮することで、性能と耐久性を最大化できます。

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